1. 令和6年度の合格率【最新データ】
公益財団法人安全衛生技術試験協会が発表した令和6年度(2024年度)の試験結果は次の通りです。
| 種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第一種衛生管理者 | 64,911人 | 30,081人 | 46.3% |
| 第二種衛生管理者 | 39,262人 | 19,546人 | 49.8% |
第一種・第二種とも約10万人を超える受験者がいる大規模な国家試験です。合格率は約46〜50%で、受験者の約2人に1人が合格しています。国家資格の中では比較的高い合格率であり、しっかり対策すれば独学でも十分に合格を狙える試験と言えます。
2. なぜ2016年に合格率が急落した?
第一種衛生管理者の合格率推移
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 平成27年度(2015) | 67,334人 | 37,975人 | 56.4% |
| 平成28年度(2016) | 75,806人 | 34,507人 | 45.5% |
| 平成29年度(2017) | 65,821人 | 29,636人 | 45.0% |
| 平成30年度(2018) | 67,080人 | 29,631人 | 44.2% |
| 令和元年度(2019) | 68,498人 | 32,026人 | 46.8% |
| 令和2年度(2020) | 43,157人 | 19,165人 | 44.4% |
| 令和3年度(2021) | 68,210人 | 29,113人 | 42.7% |
| 令和4年度(2022) | 68,066人 | 31,207人 | 45.8% |
| 令和5年度(2023) | 68,636人 | 30,970人 | 45.1% |
| 令和6年度(2024) | 64,911人 | 30,081人 | 46.3% |
第二種衛生管理者の合格率推移
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 平成27年度(2015) | 40,428人 | 26,084人 | 64.5% |
| 平成28年度(2016) | 42,238人 | 23,956人 | 56.7% |
| 平成29年度(2017) | 36,985人 | 20,240人 | 54.7% |
| 平成30年度(2018) | 37,472人 | 19,582人 | 52.3% |
| 令和元年度(2019) | 37,629人 | 20,916人 | 55.6% |
| 令和2年度(2020) | 26,278人 | 13,829人 | 52.6% |
| 令和3年度(2021) | 36,057人 | 17,922人 | 49.7% |
| 令和4年度(2022) | 35,199人 | 18,089人 | 51.4% |
| 令和5年度(2023) | 37,517人 | 18,721人 | 49.9% |
| 令和6年度(2024) | 39,262人 | 19,546人 | 49.8% |
なぜ2016年に合格率が急落したのか
推移を見ると、2015年から2016年にかけて合格率が大きく低下していることがわかります。第一種は56.4%→45.5%(約11ポイント減)、第二種は64.5%→56.7%(約8ポイント減)という大幅な変化です。
この急落の主な原因は出題傾向の変化です。2015年12月にストレスチェック制度が義務化されるなど、労働安全衛生法の改正が相次いだことで、従来の過去問暗記だけでは対応できない問題が増えました。具体的には次のような変化があります。
- メンタルヘルス・ストレスチェック制度に関する問題の増加
- 選択肢の表現を変えた「理解度を問う問題」の増加
- 複数の知識を組み合わせて判断させる問題の登場
- 法改正後の新しい数値・基準を問う問題の出題
2016年以降は第一種が40%台で安定推移しており、それ以上の難化は見られていません。受験者側が対策を適応させた結果と考えられます。一方、第二種は緩やかな低下傾向が続いており、令和6年度は49.8%と50%を割り込む水準になっています。
3. 衛生管理者試験の難易度を他資格と比較
「衛生管理者は難しい?簡単?」という疑問に答えるため、他の国家資格と合格率で比較してみましょう。
| 資格名 | 合格率目安 | 必要勉強時間 | 衛生管理者との比較 |
|---|---|---|---|
| 第一種衛生管理者 | 約46% | 約100時間 | 基準 |
| 第二種衛生管理者 | 約50% | 約60時間 | やや易しい |
| 2級ボイラー技士 | 約55〜72% | 約60〜100時間 | 同程度〜やや易しい |
| 第一種危険物取扱者 | 約35〜40% | 約150〜200時間 | やや難しい |
| 社会保険労務士 | 約6〜8% | 約800〜1,000時間 | はるかに難しい |
| 中小企業診断士 | 約4〜8% | 約1,000時間以上 | はるかに難しい |
難関国家資格と比較すると、衛生管理者試験の難易度は「取り組みやすい国家資格」の部類に入ります。ただし「誰でも簡単に受かる」試験ではなく、約100時間の学習時間と計画的な対策が必要です。
4. 合格基準の仕組みを正しく理解する
合格率を正しく解釈するためには、この試験の合格基準の仕組みを理解することが重要です。
- 各科目(範囲ごと)の得点が40%以上
- かつ、全科目の合計得点が60%以上
- 合格者数に定員はなく、基準を満たせば全員合格
「足切り」制度が不合格を生む
この試験最大の特徴は科目ごとに40%という足切りラインがあることです。たとえ全体の合計点が60%を超えていても、1科目でも40%を下回ると不合格になります。
これが多くの受験者がつまずく落とし穴です。得意な科目で高得点を取っても、苦手な科目で足切りになれば合格できません。「苦手科目を捨てる」戦略が通用しないため、すべての科目を40%以上に引き上げることが合格の絶対条件です。
第一種の合格に必要な具体的な正答数
| 科目 | 問題数 | 合格に必要な正答数 |
|---|---|---|
| 関係法令(有害業務) | 10問 | 4問以上(40%) |
| 関係法令(有害業務以外) | 7問 | 3問以上(約43%) |
| 労働衛生(有害業務) | 10問 | 4問以上(40%) |
| 労働衛生(有害業務以外) | 7問 | 3問以上(約43%) |
| 労働生理 | 10問 | 4問以上(40%) |
| 合計 | 44問 | 27問以上(約61%) |
合格ラインは「全問題の約60%正解」ですが、「各科目で最低4割」という条件を同時に満たす必要がある点が重要です。バランスよく全科目を対策することが合格への正攻法です。
5. 第一種と第二種、難易度の差はどのくらい?
令和6年度の合格率は第一種46.3%・第二種49.8%と、約3〜4%の差があります。この数字だけ見ると「第二種のほうが少し簡単」という程度ですが、実際の学習負担の差は合格率の差より大きいと言えます。
| 比較項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 合格率(令和6年度) | 46.3% | 49.8% |
| 問題数 | 44問 | 30問 |
| 満点 | 400点 | 300点 |
| 有害業務関連の科目 | あり(2科目) | なし |
| 必要な勉強時間目安 | 約100時間 | 約60時間 |
| 試験時間 | 3時間(共通) | |
第一種は有害業務関連の2科目が追加されるため、特定化学物質・有機溶剤・放射線・粉じんなどの専門的な知識が必要です。この分野は日常生活での馴染みが薄く、暗記量が多いため、第二種より学習負担が大きくなります。
6. 「難しくなった」は本当か?正直な考察
ネット上には「衛生管理者試験が難しくなった」という情報が多くあります。実態はどうなのでしょうか。
2016年の急落後は安定している
推移データを冷静に分析すると、大きな難化が起きたのは2015年→2016年の1回です。それ以降の第一種合格率は42〜46%の範囲で安定しており、継続的な難化は見られません。「昔に比べて難しくなった」のは事実ですが、「年々難しくなり続けている」わけではありません。
「難しくなった」と感じる本当の理由
多くの受験者が難しさを感じる理由は、試験自体の難易度というより勉強法の問題にあります。
- 古い過去問を丸暗記するだけでは対応できない問題が増えた
- 法改正後の情報が反映されていない古い教材を使っている
- 理解ではなく暗記に頼りすぎて、応用問題で失点する
- 科目バランスを考えず、得意科目に偏って足切りになる
適切な教材を使い、各科目の理解を深める勉強法で取り組めば、合格率に示される通り「約2人に1人が合格できる試験」です。難易度を過大評価して受験を躊躇する必要はありません。
7. 合格率を上げるために知っておくべきこと
合格率データから見えてくる、合格に向けた重要なポイントを整理します。
受験者の特徴を踏まえた対策
衛生管理者試験の受験者の多くは会社から受験を命じられた社会人です。仕事をしながら勉強時間を確保する必要があるため、学習の継続が難しく、準備不足のまま受験するケースが少なくありません。これが合格率を約50%に押し下げている一因です。
つまり、きちんと対策をした受験者だけに絞ると、合格率はさらに高くなると考えられます。しっかり学習した人の合格率は70〜80%以上と推測されており、「準備さえすれば受かる試験」と言えます。
合格率を高める3つのアプローチ
- 最新版のテキストを使う:法改正に対応した2025〜2026年版を選ぶ。古い教材は答えが変わっている可能性がある
- 全科目を40%超えに引き上げることを最優先にする:得意科目の完成度より、苦手科目の足切り回避が優先
- 過去問は「なぜその答えか」を理解しながら解く:正解の丸暗記ではなく、解説を読んで理由を理解することで応用問題にも対応できる
8. よくある質問Q&A
9. まとめ
衛生管理者試験の合格率・難易度 まとめ
- 令和6年度の合格率は第一種46.3%・第二種49.8%
- 受験者の約2人に1人が合格する国家資格の中では比較的合格しやすい試験
- 2016年に合格率が急落したが、その後は安定推移。年々難しくなり続けているわけではない
- 合格率が約50%なのは「準備不足の受験者が多いから」であり、しっかり対策すれば合格できる
- 最大の特徴は科目ごとの40%足切り。全科目をバランスよく対策することが必須
- 第一種と第二種の合格率差は約3〜4%。勉強時間は第一種が約40時間多い
合格率や難易度の数字は参考情報に過ぎません。最も重要なのは「正しい方法で対策すること」です。最新版のテキストを使い、科目バランスを意識しながら過去問演習を繰り返すことが、合格への最短ルートです。
当サイトでは過去問+オリジナル想定問題を無料で演習できます。スマホからいつでも使えるので、ぜひ実力チェックから始めてみてください。